Label: Wacoal Art Center
Catalog#: 36CD-N020
Format: CD, Compilation, Album
Country: Japan
Released: 1993
DISCOGS
1 Ryoji Ikeda - Preamble 6:09
2 Holger Czukay - Earth 4:10
3 Simon Fisher Turner & Derek Jarman - Golden 6:04
4 David Cunningham - The Listening Room 5:42
5 Polkahappiness - Scarabeé 5:52
6 John C.Lilly, M.D. - Cyclone Meditation 4:41
7 Tamami Tono - Möbius Link 1.1 7:09
8 Paul Bley - Fauves 6:19
9 Jan Steele - Temporary Farewell 7:23
10 John Cage By Masumi Nagasawa - In A Landscape 8:19
11 Satsuki Shibano - Empreinte 4:48
12 Yoshio Ojima - Postscript 5:31
ワコールアートセンターが運営する南青山の複合文化施設スパイラルで、1993年9月から94年3月まで7ヶ月に渡って開催された「ART LIFE 21 - 人間になろう」。民族対立・環境問題・エイズなどの時事的問題を取り上げたこの展覧会への参加企画として、尾島由郎と池田亮司によるプロデュースで製作されたCDブック「サイレンス: 未来への静かなる提言」。池田亮司がアメリカの脳科学者ジョン・C・リリーの著作の一節に共感したことに端を発し、「氾濫する情報を捨て去り、自身と向き合う静謐な意識から生まれた音」というテーマに賛同した12人のサウンド・アーティストが参加。CD収録曲はすべてこの企画のために新たに録音され、アーティストによる曲解説とモノクロ写真が掲載された上製本のブックレットが美しい箱形パッケージに収められています。前半は電子音楽/エレクトロアコースティックが中心。後半は笙やピアノの独奏、室内楽のアンサンブルへ。各々で尺度と解釈の異なる12通りの「サイレンス」。90年代にクラブ・カルチャーの中で興隆したアンビエント/チルアウトが、楽園的快楽や壮大な宇宙空間、深い内面世界、またはハイテクな近未来といったイメージを肥大させる一方で、その伏流となっていたポスト・インダストリアル/ノイズやミニマリズムが浮上し、それらイメージを排して「静寂・雑音」の原点へ戻そうという新たな批判性が高じたと考えるなら、本作や「Statics」はその結晶のような作品だと思います。「サイレンス」とは無音ではなく、だれかの息づかいや遠くの足跡を感じ取る鋭敏な状態。コミュニケーションへの糸口と捉えるべき言葉なのかもしれません。
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