Label: Innovative Communication
Catalog#: IC 710.100
Format: CD, Album
Country: Germany
Released: 1990
DISCOGS
1 Gateway Of Life 31:07
2 Eternal Cristal 29:42
3 Space Distorion 10:32
ヘミシンク技術を開発した超心理学者Robert Monroe(ロバート・モンロー)の研究所の専門会員であったポーランド出身の物理学者Andrzej Slawinski(アンジェイ・スラヴィンスキー)が、その技術を応用し、自身で立ち上げたタマス研究所でプロデュース、独ディープホルツのレーベルInnovative Communicationから1990年に発表した第一作。
ヘミシンク=Hemi-Syncとは、「ヘミスフェリック・シンクロナイゼーション」(左右半脳の同調)を意味するモンロー研究所の造語で、左右の耳でそれぞれ波長がわずかに異なる音を聞くことにより、右脳と左脳の脳波を同調させ、脳全体の同期現象を発生させるというバイノーラルビートを用いたオーディオ・ガイダンス技術のこと。元々は、1950年代に体外離脱(OBE)を体験したモンロー博士が、体験中に体内を微妙な振動が流れることに気づき、OBEへの誘導の可能性に着眼。脳波と身体の振動の関係性や脳に対する音の影響を研究し、1975年に特許を取得。リラックス・心身の健全化・睡眠・瞑想、その先にある至高体験へ、通常とは異なる意識状態へ誘導する技術として、現在まで心理学、精神医学、医療機関や教育機関で用いられているとのこと。スラヴィンスキーは、ハイデルベルグ大学で物理学を専攻した後、照明技師・俳優として実験的な演劇活動を経て、生物物理学研究所に勤務し、バイオフォトンや生体構造から発せられる光などの研究に従事。19200hz以上のオーディオストロボ信号=光プログラムを搭載した、視覚と連動する新しいサイコ・アコースティック・ミュージックの開発者として、タマス研究所は日本やヨーロッパのスピリチュアル分野では絶大な知名度と支持を得ているそうです。
本作のタイトル「Brain Machine」は、おそらくニューロサイエンス(神経科学)における、脳神経と外部機器を接続する医工学技術「ブレインマシン・インターフェース」のこと。収録された3トラックは、フラクタル幾何を生成するアルゴリズムのプログラムとMIDIシーケンサーで作曲され、無限に増殖し続ける複数のサウンドパターンが1トラック内で途切れなく連なり、時間とともにテクスチュアが変化していきます。#1-2は、Klaus Schulze〜Faxレーベルを思わせるディープで宇宙的な曲。#3は、モダンクラシカルな鍵盤・打楽器風のアレンジ。いずれもヘッドホンでのリスニングを推奨していますが、#3の空間に水が滴るように無作為に響いては消えてゆく、非反復・自動生成的な構造と静的なサウンドは、Brian Enoやミサワホーム総研のサウンドスケープ・シリーズのようなピュアな環境音楽に近いイメージです。
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